IPSJの論文テンプレートをPrismで利用する
ToC
はじめに
OpenAI Prismという Editorがある.これは,OpenAIのLLMによる支援が受けられる - いわば,OverleafにChatGPTが統合されたようなサービスである. これは非常に便利なのだが,日本語環境・独自テンプレート・pLaTeXの環境において罠がある.具体的には,情報処理学会に投稿するための論文テンプレートを簡単には利用できず,Compile Errorや不正なPDFの生成に悩まされるという問題がある.
よって今回は,Prismで情報処理学会の論文テンプレートを利用する方法を紹介する.
初期設定
まず,前述した情報処理学会の論文テンプレートをダウンロードしておく.Shift-JIS版とUTF-8版があるが,PrismではUTF-8版を利用する. また,OpenAIのアカウントを作成しておこう.
Prismでのプロジェクト作成
prism.openai.comにアクセス・ログインしたら,右上の「インポート」→「フォルダをインポート」を選択し,先ほどダウンロードしたテンプレートのフォルダを選択する.すると,そのフォルダが丸々Prismのプロジェクトとしてインポートされる. プロジェクト名はフォルダ名がそのまま利用される(今回の場合,UTF8というフォルダ名がそのままプロジェクト名になっていると思う).基本的にはプロジェクト名を変更しておいた方が良いだろう.
また,このプロジェクトは今後のためにテンプレートとすることを推奨する.
.latexmkrcの作成
PrismはデフォルトでXeLaTeX,LuaLaTeXが利用される.しかし,情報処理学会のテンプレートはpLaTeXを前提としているため,LuaLaTeXではCompile Errorが発生する.
普通に% !TeX program = platexと書いても利用できないが,.latexmkrcを作成することでPrismでもpLaTeXを利用できるようになる 1.この部分の記述は引用元を参照してほしい.
Auto Formatの無効化
このテンプレートではマクロとして\def\|{verb|}が定義されている.よって,\|\begin{document}のようなコードは\verb|\begin{document}|へ置換される.
―― なのだが,これがどうもPrismのAuto Formatと相性が悪い.\|の直後に自動で改行が入ってしまい,\verb|\begin{document}|が\verb| \begin{document}|のように変換されてしまう.これが原因でCompile Errorが発生する.
ということで,我々が取れる対策は2つある:
1. 全体的にAuto Formatを無効化する
Prismの設定(左下,自分のアカウント情報をクリック→設定)から,「エディタ」→「自動整形」をオフにする.これにより,\|の直後に改行が入ることはなくなる(それはそう).
とはいえ,Auto Formatを使い続けたいユースケースも存在する.よって,対策2も紹介する.
2. Auto Formatを部分的に無効化する
OpenAI Prismでは内部的にtex-fmtを利用しているようだ.よって,Formatを無効化したい部分を% tex-fmt: offと% tex-fmt: onで囲むことで,その部分だけ無効化できる.
具体的には,\|を利用しているブロック周辺のtex-fmtを無効化すればよい.
3. 頑張って自分でマクロを書き換える
やればできると思う.が,面倒なのでここには書かないしやっていない.
まとめ
OpenAI Prismは非常に便利な Editorであるが,情報処理学会の論文テンプレートを利用する場合には注意が必要である.うまく使いこなし,快適な論文執筆環境を構築しよう.