2025年の振り返りと苦悩
ToC
はじめに
2025年は本当に苦しい年だった.後半は精神を病んでしまい,仕事もプライベートも満足にこなせなかった. この記事では,2025年を振り返りつつ,その苦悩についても語りたい.そして,2026年に向けた決意も述べたい.
未踏
未踏ITおよび未踏ADに関して振り返る.
未踏IT
2024年度未踏IT人材発掘・育成事業を修了した.振り返ってみると,人生20年間で最も充実した期間だった.1つのプロジェクトに人生をかけて(金銭を得つつ)取り組む経験は,今後の人生において大きな糧になるであろうことを実感しつつある.たとえば,大抵の技術的に困難な事象は”でもMicrokernel書くより簡単だな〜”で乗り切ることができるようになった.
曾川PM,未踏事務局の皆様,そして同期には心からの感謝を伝えたい.本当に楽しかった!
さらに,6月にはスーパークリエータとして認定された.未踏ITを修了した者の中から,特に優れた成果を上げた者に与えられる称号である(なぜか義塾はHPに記載してくれなかったが……). これで,未踏ジュニア・ITの双方でスーパークリエータとなったことになる. この称号に恥じぬよう,今後も精進していきたい.
未踏AD
2025年度未踏ADには採択されなかった.二次審査まで進んだものの,〈ビジネス展開するうえで厳しい〉というFBをもらった上で落選した.
技術的知見が非常に高く、セキュアな仮想化インフラの未来像として先進的な提案だと思います。OSS としての開発を目指しているため、現時点で事業化フェーズには至っていないものの、例えば「ディストリビューションに仕立てる」というようなコア部分以外の開発を視野に入れるなど、事業化に向けた検討の余地はあると考えます。プロジェクト期間内での事業化は難しく、残念ながら未踏アドバンスト事業の採択には至りませんでしたが、開発を進める過程で事業化へつながるパートナーと出会えると思うので、ぜひ挑戦を続けていってほしいです。— 未踏AD二次審査FB
正直なところ,〈社会実装〉はお飾りであったことに落胆した.〈ビジネスや社会課題の解決〉とあるが,後者はあまり見られていないようだ.自分の,俺の,horizonのポリシーとして商業主義に魂を受け渡すことは許可できない.ビジネスと社会課題解決は排他でないが,それを両立するにはプランが甘かったらしい.
再挑戦するか否かは悩んでいる.それ自体は容易い - というのも,2026年度の公募はもう始まっているし,そもそもが年2回の募集となったからだ.ただし,圧倒的にパートナーが不足している.自分レベルでKernelやHypervisorを書ける同年代は皆無であり,かといって社会実装を担える人材も見当たらない.ビジネス展開を狙える人材も,技術が分かっていなければ意味がない.
要するに,KernelやHypervisorを書く自信がある,もしくはビジネスが分かってKernelやHypervisorが多少分かる人間はぼくに連絡してほしい (このサイトのAboutページに各種連絡先は書いてある). 未踏ADやろうぜ.
大学
2025年は慶應義塾大学に入学した.要するに,B1としての1年を過ごした. 大学生活は楽しくもつまらなくもない.言ってしまえば,思ったよりもつまらない.才能のある同年代を探しているが,なかなか見つからない.(もっとも,CSを除けば仲の良い友人ができた)
追加で語ることがあるならば,VIRT(Virtual-machine Infrastructure Research Team)という研究室に所属したことぐらいだろうか.なかなかクレイジーな研究室だが,面白い.
学費
大学の学費は高い.年間で約150万円はかかる.4年間で600万円以上,それに加えて交通費や各種教材費がかかる. ぼくの家は貧乏であり,一切の学費援助を受けることができない. したがって,学費は全て自分で稼がなければならない. - だったのだが,後述する各種問題により支払い目処が立たなくなってしまった. 国の〈高等教育の修学支援新制度〉には引っかからず,奨学金を借りることになった. ギリギリのタイミングだったために精神的ストレスは大きく,本当に苦しい日々を過ごした.
奨学金により大学に在籍し続ける目処は立ったのだが,学費を全て自分で賄うことができなかったことは非常に悔しい.また,学費問題をAd-hocに解決するまでは耐えていた心が折れてしまい,人生で初めて精神を病んでしまった. これまで精神的に強いと思いこんでいたのだが,それは誤謬だったようだ.耐えられる対象は自分が解決できる範囲に限られており,自分ではどうにもならない問題(e.g., 実家の細さ・家庭環境の悪さ・失職)の前では無力だった.
研究は行き詰まり,技術的興味も薄れ,ただ横になって天井を眺める日々が続いた. 希死念慮があるわけでない - 世界に面白いことが沢山あることは知っているし,自分自身に絶対的な自信を持っている.ただ,無気力・無関心になってしまい何もできなくなった.
求職ツイートに応えてくれた企業の皆様・心配してくれた各位への返信すらできなくなってしまった(現在進行型でできていない).本当に申し訳ない.
サークル
とはいえ,最高に楽しい時間が1つある.それは,サークル活動だ.ぼくは慶應義塾大学の学生によるアイドルマスター研究会:K〼に所属している.合宿をしたり,ライブに参加したり,カラオケに行ったりと様々な活動をしているが,これが本当の高まりを齎してくれる.どれぐらいこのサークルが好きかといえば,大学を辞めてもこのサークルにだけは所属し続けたいと思うぐらいだ.
K〼の皆(最高な同期と先輩方)には心から感謝している.ありがとうそしてよろしく.このサークルが無ければ,本当の意味で腐り落ちていただろう.
仕事
去年から続けていた仕事があり,9月半ばまで続けていた.ひたすらC++を書き,各種最適化や高速な通信基盤の実装をしていた.
―――― していたのだが,ある理由で一切仕事が無くなってしまった.面白くなってきた矢先の出来事だったため,本当に悔しい.OSS化を見越して実装していた各種ライブラリはすべてお蔵入りとなってしまったし,学費も払えなくなってしまった. 進めていた一人暮らし(+シェアハウス)計画も頓挫した.人生IIのスタートを切ることができなかった. これが精神を病んでしまった最大の要因である.ぼくが生き急ぎすぎたのだろうか?やはりビジネスは分からない.人生で初めて挫折を味わった.苦しい.20歳の貴重な時間を(結果として)無駄にする結果となってしまった.
次の職として,12月から産総研(AIST)の超分散アーキテクチャ研究チームというところでテクニカルスタッフとして働き始めた. 細かい内容は言えないが,(極めて)雑に言えば低レイヤー系研究のソフトウェア実装を担当している.まだ1ヶ月も経っていないのでなんとも言えないが,少なくとも現時点では技術的に面白い(ジム=テツヅキは煩雑だけど).
とはいえ,一人暮らし・シェアハウス計画を再開するには金銭的余裕が無いし,学費は奨学金に強く依存している.よって,兼業を見つける必要がある. これから,求職ツイートに応えてくれた企業の皆様に再度連絡を取らせていただく(返信が遅れており本当に申し訳ない).また,これを読んでいる方でぼくを雇いたい・仕事を依頼したいという方がいれば,ぜひ連絡していただけないだろうか.時間単価として4000円以上を希望する.かつ,ぼくの持っている技術的内容に関してはAboutページを参照してほしい.
プライベート
2025年は精神的に苦しい年だったが,プライベートではいくつか良いこともあった.
Kernel/VM
Kernel/VM探検隊でA9N MicrokernelのBoot Sequenceについて発表できた.チキって3分枠にしてしまったのだが,今となってはもう少し話すべきだったと思っている. MicrokernelのBoot Sequenceについて無限に語れる自信があるのだが,3分では到底収まらない.書きかけの補足ブログ記事があるので,気が向いたら公開する.
アイドルマスター
自分の精神を支えてくれたのは,前述のサークル活動とアイドルマスターシリーズである. 今年は学園アイドルマスターを除く全ブランドのライブに参加した.精神を病んだ状態でも,これだけは心から高まれた.
参加した各ライブの詳細は後日ブログにまとめる予定だが,THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS LIVE 〜NEVER END IDOL!!!!!!!!!!!!!〜だけはここでも語らせてほしい. ぼくの人生はこのためにあった.765PRO ALLSTARS+が如何に最高か,そしてぼくが如何に765PRO ALLSTARS+を愛しているかを伝えたい.けれど,言語というツールはあまりにも不完全だ. だから,ここではただ一言だけ伝えたい.
―― ありがとう,765PRO ALLSTARS+.
カメラ
2月にカメラを買った(LUMIX S5II).これきっかけで色々と写真を撮るようになった.MFTからフルサイズに乗り換えたのだが,やはり画質が良い.求めていたボケ感と解像感がそこにあった. やはり,狙って撮る写真よりも日常の刹那を切り取るほうが好きだ.とはいえ,大きい人工物を撮るのも捨てがたい.まあ,皆でカメラやろう. オールドレンズにも手を出した.Super Takumarの50mm F1.8で色々と撮影している.2025年となってはフレア・ゴーストも味のうちだ.
当然,ここに書いていないこともたくさんある.horizonは多趣味なことで知られているためだ. まあ,他のことは割愛するとする.もっと精神に余裕ができたら個別で記事を書く.
おわりに
いつまでも立ち止まってはいられない.幸いにも技術的興味を取り戻しつつある.一時期は本すら読めなかったのだが,OSNewsやHacker Newsを読み,ソースコードを読み,新しいチャレンジとしての実装を始められる程度にはなってきた. 2026年は精神的にもっと強くなり,技術的にも成長し,経済的にも自立したい.いや,必ずそうしてみせる.わたしの主人公はわたしだから.
―ブログ草稿の山
実は,JIT CompilerやRegex Engine,HM Type-system,Network Stack,Hypervisorの実装がかなり進んでいる.さらに,これら1つ1つにブログ記事の草稿が溜まりつつある.今のまま回復していけば公開できるので,楽しみにしていてほしい. A9N Projectも進んでいる.最近おもしろいアイデアを思いついたので,概念実証として調査を進めている.かなり面白いものになると思うので期待してほしい.
また,サークルつながりで新しい機会を得た.これも近いうちに発表できるだろう.ただ立ち止まっていたわけではないのだ!
2026年の目標はこれまでもの - 〈最強になること〉と変わらないが,同じ轍を踏まないようにしたい.人を頼れるようになりたい.何かを信頼したい. まあ,自分のペースでやっていこう.
肩肘張らず素直に生きようよ
努力目標下げても構わない
息切れしたら休めばいいじゃない
それが私のやり方 秘訣なの
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最後に,2025年に関わってくれた全ての方に感謝を伝えたい.本当にありがとうございました.2026年もよろしくお願いいたします.